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2013年 西澤学長の年頭あいさつ

大阪市立大学長 西澤良記

初春を迎え、新年明けましておめでとうございます。
新年にあたり、ご挨拶申し上げます。

本年は、気温はやや低いものの、晴天で穏やかな日和が続き、温かく感じられたお正月でありました。皆様方におかれましては、ご家族共々も健やかなお正月をお迎えになられましたこととお慶び申し上げます。

昨年の10月にはノーベル医学?生理学賞が山中伸弥先生の受賞と決まり、大喝采を浴びましたが、本学の医学研究科の卒業生として大いに称賛されるべきと、喜んでおりましたところ、さらにまた、喜ばしいニュースが新年になり飛び込んでまいりました。
複合先端研究機構の神谷信夫教授が、この元旦に「朝日賞」を受賞されました。先生は2011年のサイエンス誌の世界の10大トピックスで、国家プロジェクトの「ハヤブサ プロジェクト」と並ぶ我が国からの2つの大トピックスとしてとりあげられ、世界から祝福を受けたばかりであります。先生の朝日賞の受賞をお祝い申し上げますと同時に、本学としても大変に名誉に思う次第です。

2013年は、第二期中期目標?中期計画の2年目に入ります。
この期間の重点戦略を「都市科学分野の教育研究の展開と大阪市のシンクタンク機能の充実」「専門性の高い社会人の育成」「国際力の強化」の3つに絞ったことは述べておりますが、橋下市長が就任以降、大阪維新の会のマニフェストで「府立大との一体的経営」が記載されていたことから、一躍、マスコミ等でも府大との統合関係が掲載されることが多くなりました。
府と市は平成27年度に新たな統治組織として「大阪都」の実現をめざしていると報道されています。そのために大都市制度の検討や二重行政の整理等を行なう「大阪府市統合本部」が設置されました。大学は広域行政に含まれるという論理から、この中で「経営形態の変更を検討する項目」の一つとして位置付けられています。
このため、今後の大阪の成長に貢献する公立大学のあり方を、外部有識者の意見を踏まえて将来ビジョンを策定することとされ、そのための提言を行なうことを目的として、6月に外部有識者による「新大学構想会議」が設置されました。構想会議において大学のビジョンの検討が進められ、府市統合本部に提言される予定になっておりました。
昨年末の12月27日の第2回新大学構想会議において、新大学構想の提言(案)が示されましたが、ここには、サブタイトルとして「統合と再編、新教学体制と大胆な運営改革」と題されています。

新たな公立大学ビジョン策定の背景として、「世界的な都市間競争に打ち勝つ『強い大阪』を実現する成長戦略での都市の知的インフラとして、大学の活用は不可欠であること」「二つの大学をあわせれば最大規模の公立大学となり、これまでの永年にわたっての培ってきた両大学の伝統や特徴、実績といったポテンシャルの活用が重要であること」が示されています。
このように、ビジョン検討の視点としては、「大阪の成長戦略への貢献」「政策への寄与など自治体との連携や教育行政への貢献とともに実践的研究による公立大学らしさの追求」「両大学が培ってきた伝統と蓄積の活用」が重要な点とされており、そういった視点を踏まえた大学の抜本的見直しを実施することで新しい公立大学の姿を世に示し、今後の新たな社会の公立大学の「さきがけ」となることをめざしています。

都市を学問創造の場とする”実学”を重視する伝統とともに、国際力強化を重点に据えてきたこれ までの本学の強みをより発展させるだけでなく、府大との統合によ り、より大きなシナジー効果が期待できるものと考え、世界と戦え る新しい公立大学の姿を構築していくことを考えています。 府市での内部調整や大学 の意見聴取、議会での審議を踏まえて、4月をめどに「新大学ビジ ョン」が策定されることになります。 今後は、現在進行中の本学の改革をこれらの提言を踏まえて、さ らに多くの課題に対処しつつも、より充実し、飛躍、発展できる大学をめざしていきたいと考えております。皆様のさらなるご理解と 温かいご支援を願い、私の希望を込めて新年のご挨拶とさせていただきました。

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大阪市立大学長 西澤良記